
せっかく手に入れた着物を、収納の仕方やお手入れの仕方を誤ってダメにしてしまったら悲しいですよね。着物好きの方と会話をすると「着物は桐ダンスじゃないと絶対にダメ」と聞くことも少なくないと思います。果たして、着物の収納は桐ダンスでないとNGなのか?桐ダンスの何がそんなに良いのか?桐ダンス以外の収納方法はないのか?桐ダンスっていくらぐらいするのか?今回はそのあたりを徹底分析していきたいと思います。
着物の収納はなぜ桐ダンスなのか?
そもそも着物の大敵って何かご存知でしょうか?ズバリ「湿気」と「虫食い」の2つと言われており、特に湿気はカビやシミの原因になります。日本はそもそも湿気が多い国ですし、マンションのように防寒対策がしっかりしている建物はさらに湿気が多いのが特徴です。
「着物には桐ダンス」と言われる理由もそこにあり、桐は湿気に強く吸い取ってくれる役割を果たしてくれるそうなんです。さらに桐ダンスは虫もつきにくいので、やはり着物の収納には最高の方法だと言えそうです。
では次に、「桐ダンスでないとダメなのか?」という点についてですが、結論から言うと「絶対にダメ」ではないようです。洋服と同じように洋服ダンスやプラスチックケースに収納されている方も大勢いらっしゃいますし、幅や奥行きなどのサイズ感があれば問題なさそうですね。ただし洋服ダンスやプラスチックケースに収納する場合は、年に2〜3回は虫干しをしたり、防虫剤を忘れずに入れるなど、ケアは徹底したいところです。
ちなみに桐ダンスならノーケアで大丈夫かと言うと、そんなことは全くありません。同じようにお天気で空気が乾燥している日には桐ダンスの扉や蓋を開けて空気の入れ替えをしたり、年に最低1年は着物を虫干ししたり、防虫剤を入れたりと、着物を綺麗に長持ちさせたいと思えばやはり同じようにケアが必要になります。
収納の時に気をつける3つのポイント
着物を収納する時に気をつけるポイントは3つです。
- 着たあとは数時間〜一晩干して、丁寧に畳んで一枚一枚たとう紙(し)に入れてしまう
- 防虫剤を入れる(必ず一種類に統一する)−ポリエステルの着物は不要
- 高価な着物ほど床から遠い上段にしまう
(着物のたたみ方はこちらから>>着物・長襦袢・名古屋帯のたたみ方)
たとう紙とは、写真のような着物の収納専用に作られている包み紙のようなものです。着物を出し入れする際にもこの紙に包んであれば寄れたり折れたりすることもないですし、汚れも防げます。たとう紙が重なって中に何の着物が入っているかわからなくなってきたら、写真のようにどの着物が入っているか直接書いてしまったり、着物の写真を表に貼っておいたりすると一目でわかって便利なのでおススメです。
着物を購入すると大体このたとう紙に入ってきますが、譲り受けたりリサイクルショップなどで購入してたとう紙がない場合には、Amazonでも一枚200円弱で購入できます。
防虫剤も、和服専用の防虫剤が色々と売っていますので、お好みのもので問題ないと思います。ちなみに私はこちらを使っています。
複数の防虫剤を使用すると化学反応を起こす可能性があり、シミや変色の原因にもなるそうですので、必ず一種類に統一しましょう。なお、洗える着物(ポリエステル)は虫に食われる心配もありませんので、防虫剤は不要です。
最後にしまう順番ですが、床に近いところは湿気がたまりやすいですので、安価な着物や小物類を下段にしまい、高価な着物ほど上段に収納するのがベストだそうです。押入れやタンスにしまう場合も、高価なものは高い場所にしまうと良さそうですね。
ところで桐ダンスっていくらぐらいするの?
昔ながらの立派な桐ダンスなら何十万、高価なものは100万超えのものもあるようですが、今は何でも便利な時代ですので、調べてみたらネット通販で2万円前後で購入できる桐ダンスやチェストもいっぱいありました。
- ベルーナの4段桐タンスは1万円代
- ベルーナの4段桐タンスキャスター付で2万円ちょっと
- セシールの2段桐ケースは9,000円代
http://www.cecile.co.jp/detail/XG-1055/?micd=71201&appno=345939&ordno=0073
他にも色んな種類のものがあって、組み合わせたりするタイプのものもありました。桐タンスであれば着物を入れることを想定しているのでサイズは問題ないと思いますが、着物のたとう紙の幅は90cm弱ありますので、ケースも90cm以上の幅もしくは奥行きがあるものを選ぶのが良いと思います。
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