着物は「SUSHI」や「RAMEN」に続けるか?!

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最近、外国人の間でもちょっとした着物ブームが起きているのはご存知でしょうか?日本を観光する外国人の間ではレンタル着物が流行していて、京都や浅草など人気の観光地では着物姿の外国人をよく見かけるようになりました。

果たして着物は、「SUSHI」や「RAMEN」のように海外ローカルの人々に受け入れられるようになるのでしょうか?

「SUSHI」や「RAMEN」も海外では絶対に流行らないと言われていた

今や海外で大人気の寿司やラーメンも、昔は「海外では絶対に受け入れられない」と言われていたんですね。寿司の場合、欧米人を筆頭に生魚を食べる習慣がありませんでしたので、カリフォルニアロールのような「なんちゃってお寿司」が寿司として認知されていました。生物をあまり食べない欧米人にとって、生魚を食べるなんて到底無理、というのが当時の共通認識だったと記憶しています。

ところがハリウッドセレブ達が寿司にハマったのをきっかけに、数年後にはニューヨークなどアメリカの東海岸でも寿司ブームとなり、今や寿司は高級グルメとしてアメリカで確固たる地位を築いています。私も数年前の一時期をニューヨークで過ごしていたのですが、日本にいるのかと錯覚するほど同じクオリティーの寿司が食べられることにビックリしました。(お値段にもビックリするのですが、高いお店にもかかわらず予約が取れないほどに混んでいました。)

ラーメンも同様に、海外では流行らないだろうと言われていました。まず欧米人はお箸が使えない人が多かったのと、音を立ててスープを飲む習慣がなかったためラーメンを「すする」ことが出来なかったためです。ラーメンといえば、熱々のスープから麺をすくい上げて「ずずず〜」と音を立てながら食べるのが最高なのに、パスタを食べるようにフォークに巻きつけながら静かに麺を口に運んでいては、ラーメンの魅力が半減してしまいますよね。

ラーメンがどのようにして海外に広がっていったのかは定かではないのですが、私の記憶ではまずシンガポールに人気のラーメンチェーン店が進出し、その数年後には欧米にも広がっていったように思います。今では、マンハッタンの中心地に一風堂が2店舗もあり、金曜の夜ともなると飲んだ後のニューヨーカーが30分以上も待たされながらラーメンをすすっているのだから驚きます。(もちろん皆さんお箸を器用に使いこなして、ずずず〜と立派な音を立てて食べています)

日本食ブームに押されるようにして海外で人気を高めているのが日本酒です。焼き鳥屋や寿司屋のカウンターでワイングラスに並々と注いでもらった日本酒を飲むのが、マンハッタンで働く男女の間でブームとなっているようです。

日本食は今や、ブームを超えて定番人気グルメの地位を獲得しつつある気がしています。

 

KIMONOは海外でブームになれるのか?

これは正直私自身も答えを持っていないですし、わかりません。ただ、寿司やラーメンが日常的に海外で食べられるほど人気になるとはほんの10年ほど前は想像もできませんでしたので、着物がブームになる可能性も十分に秘めていると思います。

このブログでも何度か触れさせていただきましたが、例えば人気ファストファッションブランドのZARAは着物の羽織をモチーフとしたカーディガンやコートのような商品を多数販売して人気を集めています。

羽織風のロングカーディガン

‘floral print kimono’として販売された商品

GUCCIでも着物デザインのロングコートが販売され、セレブが着て話題になったりしていました。これらが一時のブームで終わるのか、これを機に徐々に着物が海外にも広まっていくのかはわかりませんが、日本庭園や盆栽など日本のアートが世界中で高く評価されている中、着物ブームの可能性は決して低くないのではないかと感じます。

ただ、日本人でも着付けができる人は多くないですので、海外で流行るとしてもZARAやGUCCIのように羽織るだけで着られるデザインだったり、浴衣のように比較的簡単に着られるデザインのものの方が受け入れやすいだろうなと思います。

 

KIMONOが海外にも広がることで何が起きる?

今日本では、着物職人がどんどん減ってきていることをご存知でしょうか?機を織る人も、染物職人も、着物の仕立て屋さんですら少なくなっています。その結果、技術を受け継ぐ人がいなくなり、商品の品質が落ちてしまったり生産量自体が減ってきているそうです。

着物職人が減ってきている理由は、着物を着る人が減っているからに他なりません。ニーズがないから供給も自然とやせ細ってしまうのです。そんな中での外国人による観光地での着物レンタルブームは、日本人が着物に目を向けるとても良いきっかけだと思いますし、海外で着物がブームになれば日本特有のブーム逆輸入が起きる可能性もあるかもしれません。何がきっかけになるかは正直わかりませんが、着物リメイク商品や簡易着物あたりに、ブームのきっかけが隠されているかもしれませんね。

 

 

記事一覧はこちらから>>http://kimononadeshiko.com/sitemap/

 

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