
洋服と違い着物は着るのもお手入れも面倒ですよね。ついつい敬遠したくなってしまったりもしますが、誰もが着れないからこそ着物を着ている人がより一層映えるものです。
普段はファストファッションでリーズナブルに過ごしていても、ここ一番のオシャレでは周囲と差をつけいたとついつい思ったりしませんか?子供の晴れ舞台ともなれば、より気合が入りますよね。
そうは言っても高価な着物、一度買ったらずっと活躍してくれるものを慎重に選びたいところ。着物選びに迷ったら、まずはこの3枚を誂えておけば安心です。
まず手に入れたい最初の一枚
嫁入り道具で留袖を誂えるなんて今は昔、結婚する時に着物を持っていない人の方が今では圧倒的に多いのではないかと思います。留袖はミセスの第一礼装で最高の格式と敬意を示すとされますが、あまりにフォーマルすぎて子供の結婚式ぐらいしか今は出番がありません。せっかく手に入れたのに、一生のうち着るのがたったの数回だなんて勿体なさすぎますよね。

黒留袖
それに比べて訪問着や付け下げは、友人の結婚披露宴から社交的なパーティー、七五三など子供の行事の付き添いやフォーマルな式典にと、とにかく幅広く活躍します。一般的には訪問着の方が格が上とされていますが、最近は付け下げ訪問着と呼ばれる訪問着と付け下げの間のような着物も出ており、以前ほど明確な差がなくなってきたようです。(フォーマルの着物について詳しく知りたい方はこちらから着物の種類フォーマル編|こんな時はどの着物が正解?)

付け下げ訪問着
フォーマルな社交パーティーへの出席が多い方や、ご主人やご本人が外国人を接待するような機会が多い方は、より華やかな訪問着がオススメです。そうでなければ、付け下げ訪問着もしくは付け下げの方が華やかさが少し劣る分気軽に着れるので、活躍の場が多いと思います。

訪問着
ここ一番の時の勝負服として、訪問着か付け下げ(もしくは付け下げ訪問着)のどちらか1枚はぜひ持っておきたいですね。
上品な佇まいに魅了される一枚
初めてだと中々手が出しにくいですが、2枚目にぜひ手に入れたいのが色無地です。
色無地は紋が入ると途端に格が上がり、礼装として結婚披露宴はもちろんフォーマルな場所にはどこにでも着ていけます。この時、帯は袋帯を締めます。

一つ紋付きの色無地
その名の通り単色で柄のない着物ですので一見地味にも感じてしまいますが、その分合わせる帯で雰囲気もガラリと変えることができます。お茶のお稽古をしている人はほとんど必ず一枚は持っているとも言われており、単色ならではの落ち着いて上品な雰囲気が醸し出される1枚だと思います。お宮参りや入園式・卒園式など子供が小さい時はお母さんの着物も華やかだと素敵ですが、中学・高校など大きくなるに従って式典に出席するお母さんも華やかさより上品さを演出できるとより素敵なのかなと感じます。
洋服にも自分に似合う色・似合わない色があるように、着物にも合う合わないはあります。着物は洋服よりも体を占める面積が大きい分、その色合いがより強調されますので、ぜひご自身のお顔を引き立てる1枚が欲しいですよね。色合いの微妙なところはネットでは伝わりませんので、呉服屋さんなどに足を運んで直接鏡で合わせてみることをオススメします。
なお、紋が入っていない色無地はオシャレ着として活躍もしますので、持っている着物と合わせながら紋付・紋なしを選べるといいですよね。(色無地の紋の数と格はこちらで説明しています:着物の種類フォーマル編|こんな時はどの着物が正解?)
凛として気品あふれる一枚
最後にオススメしたい1枚は、やはり紬です。
オシャレ着でもちょっと普段とは違った格好をしたい時、ホテルやレストランのちょっと良いところで食事したい時、観劇やクラッシックコンサートを楽しむ時など、いわゆる「ハレの日」ではないけど日常の日々とはちょっと違った特別な日にぜひ着たいのが紬です。

紬
オシャレ着なのでもちろん小紋でも良いのですが、個人的には紬は若い女性よりある程度年を重ねた女性の方が似合うと思っています。少し大げさですが、人生で重ねてきた日々があるからこそ醸し出される風格といいますか、貫禄といいますか、そいういう雰囲気が紬とピッタリ合うんですよね。(そういう私はまだ30代半ばですが…笑)
中でも一番人気の大島紬はお値段も張りますが、憧れの1枚です。ミセスになってすぐ、ではなくても、年を重ねていく中で「いつか自分の紬を手に入れたい」という目標を持つのも素敵だなと思います。(紬の魅力はこちらの記事でも書いています。紬ってどんな着物?どんな時に着れるの?)
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