
着物の人気お出掛け先でもある「歌舞伎」。都内の歌舞伎劇場といえば、歌舞伎座・新橋演舞場・国立劇場が代表的ですが、昨日国立劇場で新春歌舞伎を観劇してきましたので、国立劇場の魅力と歌舞伎の感想、初心者でも歌舞伎を楽しむ秘訣をご紹介させていただきます。
目次
国立劇場とは
半蔵門の駅から徒歩5分の場所にある国立劇場は、歌舞伎・能楽・文学と様々な伝統芸能が鑑賞でき、今年で開場50周年を迎えます。歌舞伎座と比べると外観こそシンプルで少し見劣りはしますが、内観のデザインやスペースの広さは突出しています。

国立劇場入り口
国立劇場の豪華な内観
国立劇場の魅力の1つは、3階までの吹き抜けホールと高い天井から吊るされた豪華なシャンデリアで、着物でドレスアップして撮影するには最高のロケーションです。特に1月の今は新春歌舞伎が催されており、内観もお正月のデコレーションが飾られ一年の中で最も華やかな時期です。
着物好きが集まる歌舞伎の劇場では、着物コーディネートの参考になる先輩方がたくさんいて、特に新春の時期は着物もいつも以上にドレスアップしてくる方が多いので昨日はとても楽しみにしていたのですが、残念なことに雪の予報で着物は着ていけませんでした(泣)着物の来場者もやはり少なかったので、新春歌舞伎の着物鑑賞はまた来年の楽しみへと持ち越しです。

会場内に吊るされた50周年の豪華な垂れ幕
会場内には至るところに長椅子やテーブルが配置されているので、休憩中にお弁当をゆっくり食べられるのも嬉しいポイントの1つです。
ちなみに昨日は平日(金曜日)だったからか、外国人の観客も結構いました。以前はほとんど見かけることがなかったように思うのですが、最近は日本食や日本芸術が海外から高く評価されていたり、日本への外国人旅行客も年々増えていますので、ひょっとすると海外での歌舞伎人気も高まってきているのかもしれませんね。
今回着ようと思って楽しみにしていたこちらの色無地と袋帯のコーディネートは、次回の出番を考えながらまたタンスへと戻しました。新春ならではのコーディネートで、かつ祖母から譲ってもらって仕立て直しをしたものをこの機会にデビューさせようと思っていたので、残念無念。

ベージュの色無地
歌舞伎「通し狂言 しらぬい譚(ものがたり)」の感想
「しらぬい譚」は、家を滅ぼされた娘が妖術を使って復讐を図る物語なのですが、ストーリーがとてもシンプルで笑いどころがいくつも仕込まれているので、初心者にもおススメの演目です。
「しらぬい譚」の見所
娘役を演じる尾上菊之助さんが前半ラストで客席を横切る宙乗りを披露するのですが、菊之助さんの妖艶なオーラと素晴らしい衣装を間近(真上)で見ることができ、素人ながらも身震いしてしまうほど感激しました。特に睨んでいるわけでもなく、グッと目に力を入れているわけでもないのですが、菊之助さんが上空から客席の私たちを間近に見渡すと、なんだかこちらまで妖術にかかってしまうのではないかと思うほど吸い込まれました。素晴らしい役者さんですね。
また、中盤の化け猫とのバトルシーンがまたすごかったです。化け猫に取り憑かれた女性が猫に操られるままに動き回る中で次々にアクロバティックな技を決めていくのですが、取り憑かれて力が完全に抜けてる感じなのにバク転とかブレイクダンスのような技が次々決まっていって、一体どんな身体能力をしている役者さんなんだろうとここも感激してしまいました。(この役者さんは誰なのか最後までわかりませんでした)
その他にも、屋台崩しや昨年大ブレークした芸人さんのネタを取り入れたりなどと、見所満載の演目でした!
初心者でも楽しむ秘訣
歌舞伎って、初心者にはそもそも敷居が高いイメージがありますよね。特にセリフは何言ってるかわからないし、何言ってるかわからないとストーリーも理解できないし、となりますます敬遠してしまいがち。
まず、初心者の方が歌舞伎を楽しむための必須アイテムは「イヤホンガイド」です。当日劇場で700円で貸し出しをしています。(保証金の1,000円はイヤホンガイド返却時に戻ってきます)イヤホンガイドでは、演目が開始する前に演目の簡単な説明をしてくれたり、始まってからも役者の屋号や名前を紹介してくれたり、複雑なセリフ内容の説明や舞台背景の説明をしてくれたりする、とっても便利な助っ人です。片耳につけて聞くので、片耳で舞台から直接聞きながら、イヤホンガイドでもう片方の耳から説明を聞く感じです。聞きづらくなるのでは?とか鬱陶しいのでは?と心配かもしれませんが、そんなことは全くないので、初心者の方はぜひ一度試してみてください。
歌舞伎を楽しむもう1つの秘訣は、事前にストーリーのあらすじや出演する役者情報などに目を通しておくことです。海外でミュージカルを見る時に、事前にストーリーを勉強していったりすると思うのですが、正にそれと同じ感じです。ストーリーが頭に入っていればセリフが多少わからなくても全体の流れは理解できますし、ストーリーが理解できていると役者が着ている衣装の着物や舞台の道具なども楽しむ余裕ができ、より歌舞伎を満喫することができると思います。
気になるチケットのお値段は?
今回の演目の座席別チケット料金は以下の通りです。国立劇場は、歌舞伎座と比べると比較的リーズナブルな値段でチケットが入手できますが、あまり頻繁には行けない金額ですね。。
特別席 13,000円(学生9,100円)
1等A席 10,000円(学生7,000円)
1等B席 6,500円(学生4,600円)
2等A席 5,000円(学生3,500円)
2等B席 2,800円(学生2,000円)
3等席 1,800円(学生1,300円)
人気の演目は良い席からどんどん売れていってしまいますが、公演日が近づいてくるとチケットぴあやインターネット上のチケット販売サイトなどで値引きされたチケットが販売されていたりもしますので、チェックしてみるのもおススメです。
着物を着て歌舞伎を見にいったことがまだない方は、ぜひ今年デビューしてみてはいかがでしょうか♪
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